2011.11.17 Thursday 17:30

11月は難しい…

何のことかと申しますと

「松風」 のことです

11月は 発酵をコントロールするのが

ホントに難しいんです・・・

京都の観光シーズンや 全国のお寺で報恩講をされたりで

一年で 一番たくさん「松風」をつくります

にも関わらず 気温は冬に向かって 

どんどん寒くなっていきます

昨日は暖かかったけど 今日は急に寒くなったなー

なんてこと 11月にはよくあることですよね!?

これが 発酵コントロールを狂わせてしまうんです

「寒い」の一辺倒なら まだやり易いんですけど

暖→寒→もっと寒→暖

のような乱調気候は 冷や汗もんのピンチを招いたり・・・

春や秋に 人が過ごしやすいと感じる 

冷房も暖房も要らない わずかな期間が 

「松風の生地」にとっても 過ごし易いようです

鬼門の11月 引き続き 気合を入れて集中して取り組みます 


2011.10.22 Saturday 18:22

今日の出来具合

今日の「松風」の出来は 非常に良かったです

いや いつもがダメなんじゃなくてですね・・・

同じようにやっているのに 毎回違う表情を見せてくれるわけです

自然発酵ですし 天然材料ですし 気温や湿度も違いますし


今日は いつもと同じようにやっていたのですが

生地もキレイに伸びてくれて 形も整うし

はん点もあまり出ず ムラなく 焼き色がついて

非常に リズムが良かったです

ゴルフで言うと チップインしたような 感じですかね!?

一所懸命やってると たまに 今日みたいなご褒美をもらえて

また がんばれますね


と 御所東の工房で ひとり喜んで奮闘してましたが

今日の大雨で 時代祭は 明日に延期だそうです

そりゃ 雨の日もありますから 

雨の日は 傘をさすしかないです


2011.10.20 Thursday 12:11

継続すること

久しぶり、本職「松風」のオハナシです。

「松風」って、つくづく不思議な御菓子だなぁと

自分で取り扱いながら つくづく感じる今日この頃です

その生い立ちとして 歴史的エピソードもあり

製法としては ホントに特殊で

生地の練りから 製品になる包装過程まで

ホントに手間がかかります

特に 生地の自然発酵なんて ピンポイントを通す感じで

熱を加えるだけでも 水分を加えるだけでも 

時間をおくだけでも 成り立ちません

生地が酢っぱくなって 甘みがなくなれば

それは 「腐敗」であって この状態は簡単につくり出せるのですが

甘みもあって 生地もふっくらしている という

松風にとっての 良い自然発酵を

安定して コントロールできるようになってきました

父の代と比較して 温度と時間は 

確実に管理できるようになりましたから 進歩だと思います

松風は 現場で実際に携わって 自分の肌で感じ得る経験と勘に

頼らなければならない製法しか確立されていませんが

ゆくゆくは 酢や味噌やお酒のように

発酵のメカニズムを解明して

誰でも分かりやすく できるようにする必要がある・・・

のか ないのか は 自分の中では

まだ答えは出ていません

自分の現役中の宿題だと思って じっくり結論を出そうと思います


こういった重要な方向性を それに携わる人達や 

それそれの時代の価値観に 影響や刺激を受けながら 

良かれ悪かれ決断されてきたのが

脈々と受け継がれてきた「歴史」の本質だと考えています


2011.05.23 Monday 09:12

松風の食べ頃

ここ最近 頂き物のバームクーヘンを

毎日 少しずつ口にしております。

バームクーヘンも焼菓子ですが

焼菓子というのは 本当に不思議だな

と改めて感じています。

製造日は特定できませんが

バームクーヘンでいえば

手にしてから2〜3日後で、冷蔵庫でちょっと温度を下げて

生地は少し締まっているときが

一番 味わいが濃厚であるように感じます。

かの阿闍梨餅も、(お店的にはフル回転でしょうけど・・・)

ときどき 熱が少し残った状態で店頭にならんでますが

そのとき すぐに食べるよりも

次の日、少し温度の低いところにおいておいたものの方が

味わいは鋭く、美味しく感じます。(あくまで個人的感想です・・・。)

さて、では「松風」は いつが一番美味しい食べ頃なんでしょう・・・

常温でおいておくと 焼菓子の例に漏れず 

食感も風味も変化していきます

夏場は特に 白味噌の風味が豊かになると申しますか・・・

個人の好みの領域ですが

「松風」は 焼菓子の中でも特に個性的な変化をすると思います。

焼菓子って、ほんとに奥が深いので(特に松風!?)

それぞれの食べ頃タイミングを楽しんで下されば 嬉しく思います。


2011.02.04 Friday 13:16

新作テスト継続中

今年4月で6年が経ちます、父が他界してから。

それまで存在していた人間がこの世の中からいなくなってしまうということは、本当に様々な変化が起きます。言葉では語り尽くせないくらい。

父は、中学校のときから「松風の製造」に関わっていたので、ここ50年くらいの松風事情は、晩年期の父からいろいろ聞いていました。

これから将来に向けてのアイディア等も、時間を忘れてよく一緒に話していました。
「三木都」も、この頃の父とのフリーディスカッションが発端になっています。

実は、「お菓子」の開発・研究って、想像以上にものすごく時間がかかるんです

まず、だいたいの味・風味をイメージして方向性を絞って、物理的に可能な限り試作品をつくります。

それを試食して第一印象がダメなものは、その時点で答えが出るから問題ないです。

第一印象が良かったものは、製品にできるように微調整を加えながらテストを続けていきます。

そうすると、体調や味覚がそのお菓子に対してニュートラルじゃなくなっていくんですね。

毎日、同じものを多量摂取していたら美味しく感じなくなる、”あの感覚”です。

でも、賞味期限の設定や季節によっての変化など、いろいろ調べておかないといけない項目は結構たくさんあって、繰り返しテストは必要です。

ご飯やお惣菜、パンとかと違って、同じ「お菓子(砂糖)」をたくさん摂取するというのは、身体にかかる負担が大きいです。実際、甘いものを食べ過ぎたら、ブツブツとか出ますし。

そんなこんなで、身体の感覚を戻しながらテストを繰り返していく・・・

だから時間を要してしまいます、弊店の場合・・・。

大企業なら試食人員はたくさんいますが、小さい店ですと家族と友人くらいですから。

目処がたちつつある松風の「新製品」、夏までにはリリースできるようにがんばります。


2011.01.29 Saturday 18:52

配合テスト結果

1月7日、白味噌を標準値の1.5倍にした配合で「松風」をつくりました。

「風味・味わい」の観点で、改良が見受けられず、改めて長年培われた配合のバランスを実感したのであります

で、3週間経過してから、改めて確認してみると・・・

ものすごくしっとりしているではありませんか

風味はさすがに抜けていくことは避けられませんが、しっとり感は今までにない状態です

白味噌の使い方の研究次第では、賞味期限内でも更にしっとりみずみずしくできる可能性があるかもしれませんね

松風において自然発酵は、「風味」と「食感」の反比例をコントロールする工程です。

例えば、練りたてが一番「風味」豊かですが、「食感」はバシバシです。

発酵が進みすぎると、「食感」はふわふわモチモチですが、「風味」は酸っぱくなリ過ぎてしまいます。

「相反する要素をいかに高次元で両立させるか」

このテーマは、松風だけでなく、お能のお稽古、ゴルフ、クルマ・・・などなど、すべてのことに共通していますよね。
もちろん、人間的魅力についても・・・

がんばりまっす


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