2015.11.24 Tuesday 01:08

御供物のバリエーション

かなり久しぶりの更新になってしまいました。

今回は、浄土真宗本願寺派の御供物のカラーバリエーションを
ご紹介します。


州浜の御供物を、赤と黄色で仕上げました。

「すはま」は、大豆を炒った粉と砂糖でつくりますので、
分かり易く申しますと「大豆の御供物」です。

紅葉の季節らしい色合いになっております。

ご法要の後に、仏様の下がりものとして
「御供物ほどき」(←分解すること)をして、
参拝された皆様と召し上がっていただくことができます。

「すはま」は、乾燥やカビにかなり強い素材ですので、
御供物には最適といえます。
 

2013.06.27 Thursday 15:14

御供物 洲濱

  御供物 洲濱 のご紹介です

 「スハマ」は、一般的には「洲浜」と書きますが

「洲濱」と書いているのは 旧字体を使用しているだけで

特に深い意味はございません


 さて 実物はこれです


 スハマは 和菓子のいちジャンルであり

大豆と砂糖が主原料です

 大豆の粉を炒ると 「黄粉」ができますが

炒るのを黄粉の少し手前で仕上げた粉を

我々は 「スハマ粉」と呼んでおり

これと砂糖と水飴を練り合わせて

ひたすらコネます かなりの力仕事です・・・

 大豆は もともとが黄色系の色ですので

着色は 黄色をベースにした色がキレイに発色します

 写真のような 黄色と緑の他に

赤で着色すると 少しオレンジ寄りの赤になります

 特徴として レンガ状に盛り付けるので

御供物のバリエーションとして 

落雁系とは また違う風情をかもし出してくれます

 あと スハマの御供物の最大の長所は 「お日持ち」です

乾燥とカビには かなり強い具材ですので

「御供物ほどき」をして 召し上がられても

若干の乾燥はあるでしょうが 「州濱」の食感と風味をキープしてくれます

 

 「御供物ほどき」に最も適しているのは 「洲濱」かもしれません

2013.03.25 Monday 14:21

御供物 松風

 「松風」も 浄土真宗本願寺派の御供物として お供えされます

まずは 写真です

右に置いてあるのは サイズ比較のためのCDジャケットです

「松風」を「御供物」にすると このようになるわけです

 すごくニッチな話なんですが 

実は 過去に例のない写真です
(松風の御供物をやった人自体が多くないので・・・)

 浄土真宗本願寺派 「松風」の御供物史上 

最大のもの と 最小のもの を同時に並べたもので

大きい方は 高さ 2尺 (約60臓

小さい方は 高さ 6寸 (約18臓法 ,任


 ちなみに 御本山での御正忌報恩講でお供えされる

「松風」の御供物は 1尺7寸(約51臓砲任垢ら

2尺となると それよりも2まわりくらい大きいものになります
(製作も かなり手間がかかりましたケド・・・

 ただ 「松風」の御供物も 例にもれず

お供えをして 法要が終わって 御供物を下ろすと

松風は 切り口から乾燥しやすく 

風味もかなり抜けてしまっています

「松風」ですから そのような状態で口にしても

もちろん 人体に害はないのですが

「食べ物」として 美味しいかどうかと問われると・・・

やはり 松風の「食べ頃」ではないと言えます


御菓子として 「松風」は 

乾燥して風味がとぶのを 極力防ぐため

丸形のまま 切り口が空気に触れないようにして

少しでも 長い間 松風の本来の風味を維持できるようにと

改善を試みたのが 「三木都 松風」 であるわけです

                                    直径約7cm弱です

 
ただ 「松風」にずっと携わってきて感じ取れることですが

直径45造梁腓な丸型で焼き上げて 短冊状に切り分ける

というのが 代々継承されてきた松風の製法で

「松風」の特性を考えれば 非常に合理的な方法ともいえます


「松風」道 というのがあるとすれば 

誰かが教えてくれるわけでもなく

何かの製菓本などに 記述されているものでもなく

もちろん インターネットにも記載されているはずもなく

父から聞いていた昔話と 自分の実体験を基本に 

未来へ向けて「松風」をどうしていくべきか という自問自答によって 

すべての決断・判断をしていかなければなりません


たかが菓子 されど菓子


「ものづくり」には 実行動によって 

自らが体得しなければ 感じ得ない領域

が必ずあると思います


 「ものづくり」の世界だけでなく

その人の継続的な研鑽によって 

表現し得た「感性」を 感じ取ることができる 

製品やサービス に出会えると

私は 「購入」してしまいます


2013.03.11 Monday 13:48

御葬儀用の御供物

大変久しぶりのUPです。

気長にやり過ぎですが 気長にやらせていただきます


さて 今回は御葬儀用の御供物です

左 : 干瓢               右 : 桟木

本葬儀にお供えされる御供物ですので

色合は 写真のように 白や銀が多いです

水色や黄色などもお供えされることもあります

水色を使うと このような仕上がりです


御葬儀は 予期せぬ事態ですから

御供物の製作は 緊急であることがほとんどです

先祖代々 浄土真宗本願寺派の御供物に

携わる家に生を受けた 私の天命だと自覚し

極力 ご遺族やご関係者様のご意向に沿えますように

弔いの気持ちを込めて おつくりしております

個人工房で 私一人で謹製致しますので

緊急時は 徹夜作業も行ないます


2012.07.03 Tuesday 00:26

御供物 干瓢

タイトルそのままですが

干瓢も 御供物にします

ズバリ 干瓢です

これは 纏盛 (まといもり) といいまして

人が何か衣をまとっているような姿をイメージして

そのように呼ばれるようになったのでしょう

昆布の御供物もあるのですが

昆布も この盛り方で仕上げます


御本山では 年間レギュラー御供物ではなく

○○上人の遠忌法要など

特別な法要時のみの登板ですが

関東方面では レギュラーの座を獲得しております


製作上のポイントは

金帯 と 飾りの編ひも です

干瓢の太さやボリュームは 落雁以上に揃っていないので

全く同じ成形は 二度と不可能であります・・・


あと 御供物のサイズによって 原材料の使用量が

あまり変化しないのが特徴です

お餅や落雁は 御供物サイズによって

使用個数が明らかに違いがありますが

干瓢の場合 ある程度 長さと太さが決まっていて

そこから 必要な分を抽出します

抽出した後の 残りの干瓢は

次に使いまわせないことが多いので

小さいほど「割高」になってしまうのですが

干瓢は 意外と手間暇のかかる御供物なんですよね・・・


2012.06.19 Tuesday 14:58

白餅と彩色餅

話題が いろいろと前後に行き来してますが

今回は 「白餅と彩色餅」です

一人でやっておりますゆえ

作業や画像の都合がありまして

一本道の読みモノになってませんけど いきます  

見たまんまですが 右側が白餅です

最も基本的でシンプルな御供物です

「鱗盛」 うろこもり と呼んでいる盛り方です


ご葬儀や追悼方法など 仏事のときに

銀色の供笥(くげ)に載せて お供えされます

報恩講や落慶記念法要など 慶事のときは

左側の「彩色餅」をお供えされます


「御供物ほどき」を大前提にされるのなら

慶事でも 「白餅」をお供えされると

解いて 皆様でお分けしていただき易いです

「彩色餅」は いくら食用色素での着色といっても

御本山でも 合成着色料を使用しておりますので・・・


ところで 「彩色餅」の色分けですが

昔から この配列になっております

最初に決定したときは 理由があったのかもしれませんが

その理由は 現在の製作現場には伝わっておりません・・・

御本山のお堂の中の明るさも

電気の発明などで多少変化しているでしょうし

お餅を着色する素材も時代によって変化しているでしょうし

そのときどきに 最も美しく綺麗に見えるように仕上げて

それが定着していったのでしょう


このように 「伝統」って なんでもかんでも

キッチリと何か裏づけがあるわけでもないのかなぁ・・・

と思いがちですが

そこは 先人達が 時間を積み重ねてきたお仕事です

「最も美しく綺麗に見える」ために

人が元来備えている感覚に しっかりと裏付けられています


濃色って 実際のサイズよりも

縮んでみえるというか 小さくみえます

白とかの薄色は 膨張色で 大きくみえます

こういう感覚に基づいて 実は色分けされています


御供物は 御仏壇にお供えすると

間近で見ることはなくなります

お経をあげる僧侶の後方から 御仏壇を眺めるわけですが

その少し離れたところから

色が均等な太さ・間隔で 整然と筋になっているように見える

こうなるように 配色パターンが決定されたと考えられます


お餅の仕上がりは もち米の状態や季節によって

全く同じものにならないので

そのときどきで お餅の段数が多くなったり

少なくなったりするわけですが

その都度 少し離れたところから見て

整然とした筋になるように着色しています


2012.06.18 Monday 15:38

御供物 派生種

少し違う視点から 御供物をご紹介します

御供物が今日の形になったのは

いつなのかはハッキリした記録はございません

石山の合戦後 現在の地に本願寺が建立され

天下泰平の江戸時代に 時間の流れとともに

少しずつ形になっていったはずです

製法や原材料の消費量から考慮すると

安住の場所でないと つくれなかったでしょうから・・・


御供物の基本コンセプトは 簡単に申しますと

「この世で 最高のものを美しく 仏様にお供えする」

ということですが

お米(もち米・うるち米)と砂糖は

江戸時代あたりでは 特別に最高のものであったと言えます


時は流れ・・・ 

御本山でお供えされる御供物と同質のものは

お供えしておける時間が短いのに

手間暇がかかっているので費用は高い

そして 需要に対して 供給が全く追いついていない

この状況をなんとかできないのか!?

というニーズが新たに発生してきたのも

「流れ」としては自然であり 必然ともいえます


いつしか どこかの 仏具関係者が考案されたのだと

思いますが・・・

このような御供物が派生していきます

これは 間違いなく

前回 ご紹介しました「紅梅香」がモデルとなっています

この「さとう盛り」は 一応ホンモノの落雁を使用していますが

プラスチック製なども存在するようです


更に・・・

こちらの御供物は 木製です

間違いなく 「彩色餅」がモデルとなっています


プラスチックや木で御供物をつくると

費用もおさえて 半永久的に使えますが

「御供物」というよりは 「仏具」の領域です

「御供物」は 「食べるもの」が大前提ですので・・・


ちなみに ワタクシは 

御供物・派生種のすべてを

把握しているはずもございませんので

未だに 「ああ こういうのもあるんだ・・・」

と新発見しております 


2012.06.14 Thursday 18:14

御供物 紅梅香 付盛

引き続き 紅梅香 こうばいこう です

今回は 「付盛」 つけもり と呼んでいる

紅梅香のご紹介です


「段盛」は 落雁の「厚み」で高さを出していきますが

「付盛」は 落雁を芯に貼り付けていきます

ザクッと言ってしまいますと

「段盛」は 本式
 
「付盛」は 略式   です


「段盛」は 落雁の重みで沈んだりしますので

様子をみながら 乾かしながら 取り組みます

ですので 1日では 到底 完成させることができません

これに対して 「付盛」は

スピーディーに仕上げることができます

白一色の梅型落雁で仕上げたものを

「白梅香」 はくばいこう といいまして

「白梅香 付盛」は 急なご葬儀などにお供えされます

あと 落雁の使用個数がキッチリと割り出せるので

斜目以外の模様も つくり易いです

これも 「付盛」のメリットです


さて 略式ともいえる 「付盛」ですが

さほど歴史は古くありません

御本山にお供えされる御供物は

代々 藁(ワラ)で芯をつくっておりました

ワラの芯ですから 表面はそれなりボコボコしており

また 芯の外周を一定に仕上げるのも不得手で

「付盛」には 適切ではありませんでした

衛生面と作業性を考慮して

紙製の芯を採用したのは ワタクシの父ですから

ここ30年ほどのおはなしです

紙製の芯の採用で 芯がキレイな円柱になったのと

全国に運搬することが多少可能になってきた時代に

「略式」ともいえる 「紅梅香 付盛」が

つくられるようになっていきました


2012.06.12 Tuesday 00:49

御供物 紅梅香 段盛

今回は 「紅梅香」  こうばいこう  です

再度 書籍からの引用です

「浄土真宗本願寺派 法式規範 (改訂版)」

本願寺出版社 発行

第一編 作法と荘厳

P.52   九  供物 によると

「紅梅糖 こうばいとう (もち米でつくったもの)」

と記載がありますが

これは誤りで (私が指摘するのも大変恐縮ですが・・・)

正しくは 「紅梅香」 こうばいこう  です。


さて その「紅梅香」ですが・・・

この御供物です

梅を形どった3色の落雁を

ひたすら積み上げます  ただ ひたすら・・・

ひとつあたりの落雁の大きさは 

親指の爪より少し大きいくらいでしょうか・・・

厚みは一センチ強くらいです

これは 落雁を積んで盛っていくので

「紅梅香 段盛」 こうばいこう だんもり と呼んでいます

落雁は 木型に生地を詰めて それを型から出して作るのですが

すべて 同じ厚みの落雁に仕上げることは まず不可能です

仮に 0.5ミリ 落雁の厚みが違ったとしても

10段積み上げれば 5ミリ のズレになり

30段積めば 1.5センチ になるので

ゼロ コンマ 数ミリ単位の微調整を加えながら

ひたすら 落雁を積み上げていきます

この手間と根気作業に加え

使用落雁の個数 (写真の2本で 約1600個強)のため

御供物の中で 最も高額のお品となっております・・・



ちなみに・・・ 

御本山の御正忌報恩講の「紅梅香」は

ここ20年ほどで ひとつあたりの落雁を大きくして

つまり 表面積と高さを大きくしたものを使用することによって

盛り上げる段数が減るので 

製作時間を短縮できるものになっています

模様は粗くなってしまいますが 

積み上げ段数による狂いを ほぼ無くせるので

模様にバリエーションをつけることができます

例えば 写真の斜目模様のほかに

菱模様や十字模様など・・・

御本山では 1月13日に 

御供物一式の総入れ替えがありますので

模様の変化をつけられると

「盛替」には好都合といえます  


1980年頃の御正忌報恩講の写真をみると

まだ細かい方の落雁を使用した「紅梅香」ですので
http://www.mikito-matsukaze.com/okumotsu026.html

良いか悪いかはともかく

「伝統」は 様々な要因によって

微妙にマイナーチェンジしていますね

(”ラク”をする方向に変わることが多いようですが・・・)


次回は 「紅梅香 付盛」について です


2012.05.30 Wednesday 11:00

御供物 山吹

御仏壇の順列通りにいくと 次は 「桟木」なのですが

お米系御供物つながりで 今回は 「山吹」について です

「山吹」」も 御本山において かなり歴史のある御供物です

この黄色・・・山吹色の御供物です


前回の「彩色餅」は もち米からつくりますが

山吹は うるち米からつくります

うるち米からつくる餅みたいなもの・・・

要するに お団子です

みたらし団子のタレをかける前の白いヤツです

このままだと 一見 普通の餅と変わらないので

お団子の表面に お米粒をまぶして 

分かり易く言うと 「おにぎり」のような質感にします

「握り飯」そのものだと 御供物として組み上げることができません

昔の人は うまいこと考えてはったなぁと思います

御仏壇にお供えして 遠くからみると

うるち米も もち米も 変わらないので ここで ひと工夫

山吹色に着色をして 「山吹」と銘々・・・

昔の人の 非常にセンスあるネーミングだと思いませんか?



具体的にいつからか分かりませんが 昔から

全国の門信徒さんが それぞれの地域の農作物や特産物など

御本山にお届けしておりました

それらの材料を 御用達のお家が 御本山より預かって

御供物を謹製してお納めして 御仏壇にお供えされ

法要が終わると 「御供物ほどき」をして

ご参拝された門信徒さんが また分かち合って召し上がられました


それぞれのお家で 仏様にお供えされる 「お仏飯」の

御本山バージョンが 「山吹」という御供物です


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